勺勺客(ショーショーカ)〜中国・宮廷料理人の故郷〜

数日前に、NHKハイビジョンでやってた番組が面白かった。

中国は西安近郊の藍田では、勺勺客と呼ばれる料理人たちがいる。4〜5人の料理人のグループで、村の宴会などにでかけていって、急ごしらえの台所で数百人分の料理を手際よく作ってしまう。大した設備もないところで大量の料理を作る手際があまりによくて、「仕事人!」という感じで格好良い。
そして、勺勺客の作る料理がとても美味しそう!田舎の宴会は村じゅうの数百人もの人を招いて行われるそうなので、こっそり紛れ込んでご相伴に預かりたい、という感じ。


また、藍田の料理学校で料理人を目指す少年たちの暮らしも紹介される。
藍田出身の料理人が、中国の料理人の主要な位置を占めているのだそうだ。


少年たちの住む藍田付近の、普段あまり紹介されない中国の田舎の暮らしの様子が紹介されていて、とても面白い。どこまでも乾いた大地が続く農村地帯で、石を積み上げた素朴な家に家畜と一緒に暮らす家族。決して裕福とは言えない暮らし。テレビで見る、都会になってしまった北京や上海とは別の国のような暮らしがそこにある。料理学校を出て都会に出ることだけが、彼らが貧しさから這い上がる望みなのだそうだ。


中国に行ってみたいなとつくづく思う。好きで興味がある国なのに、一度も本国には足を踏み入れたことがない。中国内陸部の、あの乾いた埃っぽそうな空気を実体験しに行きたい。