上海観光のやりのこし清算

早いもので、1年間の上海赴任ももう少しで終わりになってしまった。見たら3月以降、ほとんどブログを書いていなくてびっくり。ちょっと、実際に行ったのとは順番が変わってしまうかもしれないけれど、思い出しつつ記録してみようかと思う。

外灘観光トンネル

冬には珍しく天気のよい週末、まずは外灘(ワイタン)へ。
川沿いの遊歩道から、浦東新区の高層ビル外が奇麗に見える。穴のあいた栓抜きのような形が、現在上海で一番高いファイナンシャルセンターで、今日の目的地その1。その隣で工事中なのが、完成時には632mになるという上海タワー。

そして、以前から気になっていた、黄浦を横断する観光トンネルへ。
チケットは片道55元、往復70元。極地博物館だのトリックアート美術館だの怪しい付属チケットを売りつけられそうになるのを断って、シンプルな往復チケットだけを購入。
トンネルは、ゴンドラのような小さな電車のような乗り物に乗っていく。

川を渡るからには川底から水中が見えるのかしらと思ったけど、そういうことではなくて、いくつかのテーマにそったイルミネーションと効果音を楽しみつつ(というほどでもないけど)、数分で向こう岸に付く。

観光トンネルの外灘側は、ピースホテルのすぐ前で分かりやすい。でも浦東側は、ちょっと分かりづらい裏の方にあるので、初めての場合は見つけるのが難しいかも。

上海ファイナンシャルセンター (SWFC) 展望台

そして本日のメインのSWFCの展望台へ。チケットは、最上階の100Fと、その下の97F、94F全部にいける標準的なチケットが150元。お誕生日だとタダになるらしい。
チケットを買って中に入ると、まず浦東のミニチュア模型。時間が経過すると、空が明るくなったり、街の明かりが付いたり、という様子を再現してくれる。模型の中の上海タワーが実物よりずいぶんと低いのは、ご愛嬌。

ピカピカするモダンなエレベーターで、まずは94Fへ。そこからエスカレータとエレベータを乗り継いで、最上階の100Fは、「栓抜きの穴」の上側にあたる。つまり、足の下は空いていて、ガラスの床から下が見える。

ちょっと怖いけど、東方明珠塔のガラスの床ほどの不安感はない。というのも、このSWFCは森ビル所有のビルなのだ。日本の会社が作って持っていると思うだけで、なんたる安心感。それに、実は足の下に、穴の下側の建物があるので、「完全に空中に浮いている」という感じではない。

数年前まで上海で一番高かったジンマオタワーも、それ以前の一位の東方明珠塔も、足の下に見える。

上海タワーは、ほとんど同じ高さまで来ている。

94Fには小さなカフェがあるので、そこでビールを飲みながら夕暮れを待った。
薄暗くなって、街の明かりが浮かび上がる。まさに魔都という感じ...

東方明珠塔のライトアップは何時頃始まるのだろうと思ってしばらく眺めていたのだけれど、あきらめて降りて来たあとで見たら、ちょうどライトアップされてた。
振り返ると、SWFCもライトアップ。


ピースホテルのオールドジャズバンド

もう一つのやり残しは、ピースホテル(和平飯店)のオールドジャズバンド。
ピースホテルは、外灘のサッスーンハウス (Sassoon House) という、緑の三角屋根が特徴的な建物に入っている。

さだまさしの「上海物語」という歌に、「そうキャセイホテルのバーがとても不思議だった ジャズと軍歌の奇妙なハーモニー」という歌詞が出てくる。以前キャセイホテルがあったのがこのサッスーンハウスなので、歌に出てくるバーのモデルが、ピースホテルのジャズバーなんだろうと勝手に解釈してる。

内装が美しくて、古い建物好き心がくすぐられまくった。

7時からジャズバンドが始まるということだったので、安全を期して6:40に到着。まだ店はガラガラだったので、ビールとおつまみを頼んで腹ごしらえ。

しかし、正直言って食べ物は高くてボリュームがなくてイマイチ。写真のオープンサンドで128元(JPY1500くらい)あきらかに、食べる場所じゃない。次に来ることがあったら、食事は他で済ませてこよう。

7時になって6人の紳士達が入場。音楽を演奏しだしたと思ったら、運動会でよく使われる行進曲だった。うーん、ジャズバーじゃないの?とちょっとずっこけ。これが「ジャズと軍歌の奇妙なハーモニー」の真相?

その後も、ジャズ中のジャズというよりは、昭和の懐かしいメロディ的なムード音楽とか、ベサメムーチョとか、ゴッドファーザーのテーマとか、面白い選曲が続いた。

でも、ミュージシャンのおじさま達もだんだんのってきて、熱演。うん、こういうのもたまには悪くないかも。

私も場所柄に合わせて、マティーニとか、マルガリータとか、普段はあまり頼まないカクテルを頼んでみた。気分気分。

いつの間にか店は満席で、奇妙なハーモニーに多いに盛り上がっていたのでした。