なんちゃって菜食主義
過去のこの日記を注意深く読めば、私の蛋白質過多美食系食材への執着は明らかであると思う。しかし、自分でも信じられないことに、そんな私が今、菜食主義者になってしまったのだ。(頭に「なんちゃって」が付くが)
事の起こりは10月初旬、いつもなら秋になって直ってくるはずの腕のアトピーが一向に治らない。そればかりか、夏から初秋にかけての美食三昧がたたってか、顔にも吹き出物がぶつぶつ出るし、なんだか「内臓お疲れ?」な状態になったのだった。
調べると、どうも肉や乳製品、卵などを控えることでアトピーが改善するという話が結構あるらしい。それに私の友人に、ご主人のアトピーを玄米菜食で治したと豪語するツワモノがおり、その経験談が耳に残っていたせいもあって、「じゃ、とりあえず肉と乳製品をやめてみっぺ?」と軽い気持ちでプチ菜食に移行したのであった。この時点で、魚は一日一回くらい、卵も二日に1個くらい、あとは普通に野菜・白米・麺類を摂取しつつ、普段よりややヘルシー目を心がける、という感じの生活だった。朝晩は自宅だが、昼は社食が多いので、きつねうどんとか、五穀米と野菜の煮物、とかそんなものを中心に食べた。
念のため医者に言って、アレルギーテストもしてみた。33種類のアレルギーをいっぺんに調べられうという血液検査を受けたところ、ハウスダストにアレルギーがあるという以外は、予想に反してなんの問題もなかった。いままで疑っていた、ネコや青魚もまったく問題なし。自分はひどいアレルギー体質なんだと信じ続けていただけに、逆にびっくりした。
一方、3週間くらい上記のような食生活を続けたが、腕のアトピーは一向に良くならない。困って、件のツワモノ友人に、「アトピーが治ったときの食生活」について質問してみた。
その回答を要約すると:
- 主食は玄米に限る! 白米、精製小麦粉の麺類はNG!
- 豆・野菜・根菜類を中心に食べるべし。
- 肉類はすべてNG! エビ・カニ・貝類もNG!
- 乳製品も卵もNG!
- 魚は小魚や白身は時々ならいいが、赤身や大きな魚はNG!
- 糖類NG! 特に白砂糖はNG!
- 化学調味料や添加物NG!
と、ヒエ〜となってしまうくらい、ものすごく厳しい。まあ所謂マクロビってやつなのだが、魚を時々OKとしている以外はヴィーガンなみの厳しさ。
肉を避けるのくらいは日常的な食生活でも可能だが、日本の外食事情では普通のベジタリアンメニューさえ常備されていないところがほとんどなので、実行は非常に難しい。それに、外食すれば砂糖や化学調味料はほとんど避けようがない。よかれと思って食べていた「きつねうどん」も、砂糖と化学調味料と精製小麦が満載で、まったくNGだというのがなんともショッキングなのだった。
最初は「そんな生活ぜったい無理!」と思ったが、覚悟を決めて1ヶ月くらい真面目にやってみるか、ということで、玄米を炊いて、手作りの弁当による昼食を含む、三食玄米菜食な生活を実施中。
ところで、自分のように食べ物に執着のあるタイプは、最初は制約の多い食事は苦痛ではないかと思ったのだが、やってみると意外と面白い。決められた制約の中で、いかに美味しいものを作って食べるかというのがチャレンジングで、結構楽しいのだ。あえていうなら形式美の世界という感じだろうか。
(ただし、なにかと食の誘惑を含んだイベントがあって週末は制約を破ってしまうことが多く、「なんちゃって」という接頭辞が取れる日が来るのか不明である)