アンチョビ比較

ここ数年は自宅で消費するアンチョビはすべて自作なのだが、作り方にもいろいろ流派があるらしい。

我が家で従来やっていたのはシコイワシを丸ごと塩漬けにして3ヶ月熟成させ、その後で頭内蔵骨をとってフィレにして、オリーブオイルにつけ込む方法。しかし、あらかじめ頭と内臓をとったものを胴体と一緒に塩に漬け込むと、3週間程度で熟成するらしい(いわゆるコリスケ方式)。後者の方法で3ヶ月放置すると、本体が溶けるほど熟成が進んでしまうとの情報を得た。

っていうことは、頭と内臓をとってからつけ込んだ方が、早く熟成発酵が進むということ? 比較してみたかったので、先日シコイワシを安くうってるときに沢山買ってきて、両方の方法で漬けてみた。

早くも本日が3週間目。両者を取り出して比較してみた。

上が従来方式、下がコリスケ方式。従来方式は容器の上の方にあるやつをとってきたせいもあるが、魚の色が残っていて、生っぽい感じ。一方コリスケ方式はしっかり漬かって発酵が進んでいる雰囲気。

フィレにしてみた。

同じく、上が従来方式、下がコリスケ方式。見た目にはほとんど差がないが、従来方式は内臓ごとつけ込むので、腹の辺りの身が血の色で黒くなっている。コリスケ方式の方が色が奇麗なので、そのまま食べるにはこちらの方がよさそう。なお、魚を手開きするときの手触りでも、コリスケ方式の方が無駄な水分が抜けてしっかりとしている感じ。

今の状態のものをちょっと齧って食べてみたけど、従来方式はまだ少し生っぽい。コリスケ方式では身を開いて漬けることで、塩分が早く浸透しやすいのかも。3週間と時間がかからずに漬け上がるし、これはいいなー、と思ったのでありました。

スペイン料理の本などみると、もっとたっぷりの塩で常温で漬ける方式もあったりして、アンチョビの世界は奥深い。今度は別の方法も試してみよう。