干し芋

昔、小学校のころ、タマちゃんという同級生がいた。タマちゃんは先生の前ではすごく良い子なのだが裏ではかなりのイジメっ子で、徒党を組んで弱いものいじめをしたり、友達だと思っている相手に対しても陰口を叩いたりするので私は大嫌いだった。

でもタマちゃんには田舎に住んでるおばあちゃんがいて、晩秋から冬ごろになるといつも、ダンボールいっぱいの手作りの干し芋を送ってくるのだ。だから、そのころにタマちゃんのおうちに遊びに行くと、おばさんがいつもお土産に干し芋を持たせてくれる。そういうわけで私は、タマちゃんのことを嫌いつつも、なんとなく友達づきあいを継続し、特に秋ごろにはタマちゃんのおうちに頻繁に遊びにいったりしたのだった。...子供って、ゲンキンね。

大人になってからスーパーで好きなだけ干し芋を買えるようになったけれど、真空パックのそれはどこか味気なくて、タマちゃんちでもらった干し芋ほど美味しくないのだった。やっぱり、手作りの味ってやつかなあ。

しかし、どうやら干し芋は比較的簡単に手作りできるらしい。早速チャレンジしてみた。
作り方は意外と簡単。

まず、さつまいもを皮ごと、竹串がスっとささるくらいまで蒸す。今回は紅東と、その前に実家でもらった品種不明のさつまいもの2種を使用。

次に皮を剥いて、適当な厚さ(1cmくらい)にスライスし、盆ざるに並べて干す。小さい芋だったら、丸ごと干してもいいらしい。実験のため、1個は皮を剥かないで干してみた。

どのくらい干せばいいのかは条件によっても変わると思うのだが、日差しのよい寒い日を選んで干して、1日目ではまだまだという感じだった。2日目には水分が飛んでちょっとねっとりしてくる。今回はしっかり目に3日間干してみた。


できあがりはこんな感じ。

芋が2種類あったためか、出来上がりの様子が違うのが2種類できた。左側のは綺麗なベッコウ色になって、食感もネットリして美味しい。右側のはもっとパサパサモクモクした感じ。どっちがどっちの芋だか分からないのが難点だが...
ちょっと固くなってしまったのだが、かるく火であぶって温めると、また柔らかくなって食べやすくなる。写真にはないが、皮付きのは皮の部分が固くなり食感が良くなかったので、やはり皮は剥いたほうがいいらしい。筋張ってる端の部分も固かったので、次からは、繊維が少なくて水分の多い大き目の芋でやるといいのかもしれない。

それに、干してもまったく粉が吹いてこないのも謎だ。芋の種類によるものか、気温が十分に寒くないとか、そんな理由だろうか。

手作りの干し芋はなかなか美味しかったけど、タマちゃんのおばあちゃん作のにはまだ数歩及ばない感じ。寒いうちにまたリベンジだっ!