欺瞞と自己正当化

最近我が家では、「牡蠣は植物である」という学説が提唱され、大いに幅を利かせていた。というのも、アトピー治療のために玄米菜食生活をすることになったのだが、基本的に動物性タンパク質はほとんど禁止。例外は、近海で取れる手のひらサイズの小魚か白身魚だけらしい。

ところが、私は大の牡蠣好きなのだ。いくら皮膚炎が痒くても、牡蠣を食べずにRの付く月を見過ごしていては、人生の優先順位を見誤ったと来年の冬まで後悔することになる。それはならんということで、怪しげな学説を打ち出しては、(ちょっと後ろめたい気持ちを持ちつつも)時々牡蠣を食べていた。ま、牡蠣って動いて逃げたりしないし、どことなく植物っぽいってことで。

ところが。どうやら亜鉛を豊富に含む牡蠣は、アトピーには良いらしい。アトピー患者に亜鉛を与えたところ症状が改善したという研究もあるらしい。玄米菜食的にはNGだとしても、アトピー的には積極的に摂取すべき食物らしいのだ。私の優先順位はもちろん後者なので、今後まったく罪悪感なく牡蠣を食べることができるわけだ。すばらしい! どんどん食べなきゃ!

一方で、玄米菜食的には牡蠣を食べるのって、実のところどうなんだろう。玄米菜食教の精神は、昔ながらの日本人の食生活に立ち返って、大地(や海)の恵みを余すところなく頂く、というところにあると思われる。だから、昔から取れるような近海の小魚は許してるわけだ。だとすると、牡蠣だって縄文時代から日本人になじみの深い食材なわけで、本来食べてもOKなのでは?
でもそれを言い出すと、稲作や仏教の渡来以前の日本では、きっと狩猟による肉が重要な栄養源だったはずで、昔ながらの日本人の食生活に立ち返るために、肉食を忌避するのもおかしいということになる。もちろん、今日スーパーで手軽に買うように大量の肉を摂取できたわけがないので、今の日本人がタンパク質過多っていうのはあたってるのかもしれない。

ちなみに、「牡蠣」と「アトピー」でググる2chにスレが立ってるのが見つかるけど、これは断じて私が立てたものではありませぬ...