ピーマン丸焼き

つねづね、バーベキューや焼肉における野菜の扱いは不当だと思っていた。サラダなどではなく、肉と一緒に網で焼かれる焼き野菜。大抵、なかなか焼けないなあと思っているうちに忘れ去られ、干からびて焼け焦げて捨てられる。運良く誰かの口に入ったとしても、そこで感動を呼び起こすことはあまりない。

野菜自体は美味しくても、網焼きという限定的な調理方法ではそれを生かすことができないのだと、なんとなく諦めていた。つい先日まで。

ところが先日、感動を呼ぶ焼き野菜に出会ってしまったのだ。それも、地味野菜の代表格であるピーマン。先日の東海道LSDの果てに入った串焼きやさんで出てきたピーマンがとても美味しかったのだ。

あの味をぜひ再現したいと家で試してみた。
作り方は超カンタン。ピーマンを丸のまま、上のヘタの部分だけ切り落として中の種を取る。そして、中に味噌を少量入れて、焼く。それだけ。

焼いているうちに出てくるピーマンの水分が、味噌と混ざって丁度良くなじむ。かぶりつけばジューシーで、ピーマンって主役を張れる野菜だったのね、と感動する。

切り落としたフタの部分から硬いヘタだけを取り除いて、残りを本体に入れて焼いてもいい。フタから出た水分がジューシーさに貢献する。お店では網焼きだったが、家ではフライパンで少量の油で蒸し焼きにしても十分美味しかった。残念ながらピーマンはもう少々時期はずれだけれど、夏になったらバーベキューなどでピーマンの実力を世に知らしめたい、と思ってしまうのだ。