玄米菜食6週間目(アトピーの話)

玄米菜食によるアトピーとの闘いを開始して、はや6週間が過ぎようとしている。なんだか病気自慢のようで、興味のない人にはつまらない話だと思うのだが、後の人の参考になることもあるかもしれないと思うので、できるだけ色々記録しておこうと思う。というわけで、日記に [atopy] というカテゴリを新設してみた。

アトピーの原因は解明されていないため、発病のメカニズムにも治す方法にも諸説入り乱れており、怪しげなアトピービジネスも沢山あって、何を信じていいのかよく分からないというのが現状である。最近はついつい本やWebでそういう関係の情報を読みあさってしまい、菜食メニューの研究と共に本業の研究よりむしろ熱心なくらいなのだ。そのうち、いろいろな説の系統図をまとめてみたいと思ってるのだが、なかなか大変そう。(そんなこと仕事をしろという声が聞こえてくる気もする)

とりあえず、玄米菜食でアトピーが治ると主張する人々の考える「アトピーの仕組み」というのは大体こんな感じ:

  • 脂やたんぱく質を摂りすぎると、消化しきれない分が大きな分子のまま腸壁を通って血液中に流れる。いわゆる血が汚れた状態で、それによってアトピーが起こる。
  • だから、菜食にして脂やたんぱく質の摂取を抑えると同時に、腸内環境を整えて腸を丈夫にすれば、アトピーが治る。
  • そもそも従来の日本人の食生活は米と野菜が中心で、魚は少量、肉は殆ど食べなかった。食事の急激な西欧化に体がついていっておらず、肉を食べても十分に消化できない人が多い。
  • 牛乳も同様の理由で日本人の体では殆ど消化できないから摂るべきではない。そもそも、ホルモン剤などを与えて不自然に採乳可能な状態にした牛の乳を摂り続けるのは健康に良くない。
  • 玄米を食べるのは、白米に比べて栄養が豊富だから。それに繊維質が多いため腸内環境の改善に役立つ。また、玄米に含まれるフィチン酸には体内の有害なミネラルを排出する作用があるため、アトピーを含めていろいろな病気が治る。
  • 砂糖や白米を制限するのは、これらがGI値の高い食品で、食べたときに急激に血糖値があがってインシュリンの分泌を促すから。インシュリンが出てる状態だと消化の働きが悪くなるとか膵臓が疲れるとか...(この辺はどうもよくわからん)

最初に玄米菜食でアトピーが治るという話を聞いたときは、なんて怪しげな、と思った。でも、こういう理屈で言われると、まあそうかな〜という気もする。特に、タンパク質過多というあたり。我が家ではもともと野菜も沢山食べていたのだが、酒飲みなので炭水化物はあまり食べず、多少タンパク質に偏った食事をしていたのかもしれない。

現に私も玄米菜食にしてから、ずいぶんと皮膚炎の状態は改善している。もともとの症状は、夏の終わりごろに、手首に丸く5cmほどの皮膚が、炎症と掻き壊しを繰り返して皮膚が厚く硬くなって色素沈着してしまっていた(苔癬化、というらしい)。それに、ひじの内側にもぶつぶつができて、じくじくとした状態だった。

玄米菜食をはじめて、3日目くらいでかゆみが軽くなる感覚があった。その後、ぶつぶつが治まってきた。炎症が治まったあとでも苔癬化したところはなかなか治らなかったのだが、こまめに保湿クリームを塗るというのを続けていたら、殆ど治りかけて元の皮膚の状態に近づいてきた。まだ完治ではないという感じはするが、激しいかゆみがなくなって、かなり楽になった。(痒みというのはまことにつらいもので、このサイズの皮膚炎でこれだけつらいのだから、広い範囲で皮膚炎になってしまった人は本当につらいだろうなあ、と思う。)

で、これまでの体験からすると、玄米菜食と、皮膚炎改善の間には、因果関係があるとしか思えない。

たとえば先日、ディープ居酒屋ゾーンで一晩、脂身肉等を含めて暴飲暴食したら、翌日にはきっちりはっきり悪化した。治りかけてた部分にまたブツブツができ、殆ど治ったと思われていたヒジの内側の炎症も痒くなってしまい、食べ物との因果関係はどうみても明らかなのであった。結局、元の状態に戻るまで殆ど1週間かかってしまった...。その前に居酒屋で魚料理を食べたときには大して反応しなかったのだけど、やはり肉の脂身のせいか、恐るべき破壊力。さしもの私も、完全に治るまではおとなしくしよう..と思ったのであった。結局、おとなしい草食動物生活に戻してから、暴飲暴食の影響が消えるのには約1週間かかった。

基本的に人と外食するときはこだわらずに普通のものを食べることにしているので、昨今の宴会シーズンでは非玄米菜食する機会が多い。あまり暴飲暴食しないようにはしているが、そういう日の翌日は、やはりちょっと皮膚の状態が悪くなる感じがする。でも全体的には非常に良くなっていて、もう一歩で治りそう、という感じ。

そんなことを言いつつ、これから沖縄にむかって旅立ってしまうのだ。メインはNAHAマラソンを走ることだけど、沖縄の魚とかティビチとかヒージャーとかに私が抵抗できる公算は低く、どうなることやら。42.195km走って汗をかき、栄養消費することで、差し引きトントンということにならないかしら。