アンチョビの仕上げ

自称スペイン人の血を引いた中国系日本人の私の、アンチョビへの愛の大きさは容易には表現できない。市販のものは値が張るし食べ応えがなくて物足りないので、ここ数年は自家製アンチョビを作るのが我が家の定番になっている。

連休で時間があったので、3ヶ月前に仕込んでおいたアンチョビの仕上げ。
ひこいわし1kgを塩150gと交互にタッパーに詰めて、冷蔵庫の上段で3ヶ月きっかり寝かしておいたもの(写真左上)。寝かしているうちに、すっかり塩は溶け、発酵した魚醤のような美味しそうな香りになっている(写真右上)。

いわしの頭を取って内臓をナイフでかき出して綺麗にし、手で3枚に開いてフィレにする(写真左下)。フィレにしたものをキッチンペーパーで丁寧に水気を取って、何枚か重ねてくるくる巻いてビンに詰める。最後に、隙間に入るように箸で空気の通り道を作りながらオリーブオイルをビンのふちまで注いでできあがり(写真右下)。あとはオイルの中で1ヶ月程度熟成させる。

今回のいわしは大きくて立派なものだったので、フィレも結構よいサイズになって、扱いやすいのが良かった。歩留まりもよくて、1kgのひこいわしから取れたフィレが全部で500g、小ぶりのビン3つにいっぱいのアンチョビになった。アンチョビは塩辛いため、一度に使う量は少しなので、とても食べでがありそうな量だ。むこう一年間のアンチョビは確保できたと見てよい。

いつも塩漬けの液のほうは捨てていたのだが、「魚醤として利用できる」という噂を聞いたので、今回はこの液をフィルタで漉して、自家製ナンプラーも作成した。味を見たら、ちょっとしょっぱいけど魚の発酵した旨みが出ていてたしかにナンプラーに近い。今度アジア系の料理を作るときに使ってみる予定。