偽500円疑惑

大量の偽500円硬貨が見つかったというニュースを聞いた次の日、ふと財布の中にとても汚い500円硬貨を見つけた。なんだか全体に色がくすんでいるし、傷だらけだし、裏面に浮いて見えるはずの「500円」の潜像もなんだかはっきりしない。綺麗なほかの硬貨と比べても、なんだかヘン、に見える。
すわ偽造硬貨か、とドキドキしたが、財務省の発表資料 (http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/ks170203.pdf) をもとに表面の模様を仔細に観察した結果、残念ながら(というべきか)単に汚れて模様のかすれた本物である、という結論を出すに至った。
私の持っていた硬貨はちがったが、これだけ大量に出回っているということは、ひょっとすると気がつかないうちに偽造硬貨を受け取っている人もいるのではないかと思われる。その数はさだかではないが、偽造硬貨のデキがいいだけに、ひょっとしたら意外と多くの人が、すでに偽造硬貨を手にして生活しているのではないか。1枚1枚はたかだか500円の価値のものだからそれほど影響はないが、「50万円溜まる」とかいう500円玉専用の貯金箱で貯金しているような人の場合、あけてみたらほとんど偽造硬貨ですごくがっかりするということもありうるのではないだろうか。

キズミ

500円硬貨を一生懸命見つめていたら目が痛くなった。
よく時計屋さんなどが使っている、まぶたの上下の筋肉に挟んで使うタイプの拡大鏡が急に欲しくなってしまった。次に怪しい500円硬貨を見つけた時、さっと取り出して目にはめたりしたら格好いいではないか?
でも名前がわからなくて、調べるのにちょっと時間がかかった。
名前は「キズミ(傷見)」というのだそうである。名前に反して、時計屋では内部のムーブメントの具合を見るのに使うらしい。

ベビーキルト

買い物に行ったら、デパートの中で「ベビーキルト展」なるものをやっていたのでフラリと覗いてきた。
キルトというのはつまりパッチワークのことで、小さい端切れを縫い合わせた布地に、裏地をつけて間に綿を挟んで、キルティングしてあるものだ。(パッチワークしてなくてキルティングだけのものもある)。普通はベッドカバーのような大きなサイズで作るのだが、ベビーキルトは赤ちゃん用。90cm四方の可愛いサイズを沢山展示していた。
今の私を知る人は信じないと思うが、昔(すごく昔)にキルトに凝ったことがあったのである。キルトのパタンが紹介されている本を何冊も買ったり、パタンの種類を覚えたりして、かなり夢中になっていたことを思い出す。作るほうは根気が続かなくていまいちだったが...。
キルトはアメリカ大陸の植民地時代に、貴重な布地の裁断くずなどをムダにせずに再利用するという目的で発達した。最初は残った布切れをでたらめに縫い合わせるクレイジーキルトというのが多かったが、そのうち四角や三角を組み合わせて美しい幾何学模様を作り出すことが流行し、様々なパタンを生み出した。非常に複雑な幾何学模様のキルトが、近くで見てみるとなんてことないシンプルな形と布の色の選択で作り出されていて、なかなか面白かったりするのだ。また作ってみたくなってしまったな(きっと根気が続かないけど)。