麻辣誘惑(上海 人民広場前 新世界百貨店9F)

上海に来てからこのかた、2週間以上もホテル暮らしをしていたけど、やっとアパートに引っ越せることがきまった。といっても引越し先も長期滞在型ホテルみたいなサービスアパートメントみたいなものなのだが、一応キッチンやら洗濯機が付いているところが違う。今まで泊まっていたホテルは、とても居心地のいいホテルなんだけれど、キッチンがなくて毎回外食になるのは結構つらい。洗濯物はシャツなどはランドリーサービスに出すけれど、高いし下着なんかは気持ち悪いので、毎日部屋に戻ってから手であらったりしてた。そんな豪華なんだか地味なんだか分からない生活とも、これでお別れ。

引越し先は、家具家電食器つきで、週に2回掃除もしてくれるという至れり尽くせりのサービス。とはいえ、日常のこまごました雑貨は必要になるわけで、付近の店でお買い物。

その途中で、先日探していて見つからなかった四川料理の店を見つけた。

「麻辣誘惑」という、花椒とか唐辛子が好きな人は、まさに誘惑されてしまいそうな店名。お店も店員さんの服装も、黒を貴重に赤をアクセントに使っていて、まさにテンプテーション(意味不明)

中国版の食べログ的サイト(diangping.com)によると、この店のお勧め料理は水煮魚らしい。魚は数種類から選べるが、一番自信作っぽい「水煮無公害草魚」というのを選択。(つまりオーガニックな草魚という意味だと理解した。草魚がなんだかわからんけど)
他にも 麻辣誘惑蝦だの、麻辣誘惑蛙だの、とにかく麻辣の世界に誘惑するメニューが沢山。

待つことしばし、おもむろに運ばれてきたのは、洗面器より大きな巨大な器になみなみと注がれた油、その中に、大量の唐辛子と花椒にまみれて沈殿する大量の魚と蓮根のスライスであった。いつも思うのだけれど、このように油ばかりで水を一滴も使ってないような料理が、なぜ「水煮」と呼ばれるんだろうか。とっても不思議。


ちなみに、お味はとっても美味しかった。魚は臭みがなく丁度良い火の通り加減で、、たっぷりの油でゆっくり調理されたらしい蓮根も、モチモチして美味。見た目ほどには辛くないが、花椒がよく効いているために、しばらく食べると口が痺れてきた。辣ではないが麻、という感じ。

口直しに頼んだ白菜のスープ煮は、やさしくていい感じ。避難場所として正解のチョイスだった。


ちなみに、席に着くとすぐに、食パンが1枚と、突き出しが2品運ばれてくる。突き出しのコーンサラダみたいのを載せて食べるのかと思ったら実は、水煮魚を取り分けたときに一度食パンの上に載せて、油を吸収するために存在しているらしい。ひとしきり食べた後には食パンは油でぐちゃぐちゃに...。もったいないというか、なんというか。それにしても、前菜と間違えて食べなくて良かった。

とても美味しかったのだけれど、量が多すぎてさすがに一度には食べきれず、お持ち帰り(打包:ダーパオ)して、その日の夜も、翌日の夜も、食べ続ける羽目になったのだった。いろんな意味で危険なメニューだ。