fairwell

"fairwell" というシンプルなタイトルのメールが来た。なんじゃ、fairwell って。お別れの意味なら farewell だよね、と思って開いてみると、それはアメリカ在住時代にお世話になった、台湾人元上司からのメールだった。仕事を辞めたらしい。理由を要約すると、せちがらい世の中に嫌気がさした、というところか。


彼は不安でいっぱいのアメリカ生活で最初からお世話になった人なので、インプリンティングされて、私の中では保護者格として認知されている。また、食い意地同盟の同士でもある。
なので、辞めると聞いたときにはショックだった。これまで何人も私の周りの人が辞めていったが、その中でも一番ショックに感じたのを、自分でもびっくりした。なんとなく、彼だけはいつまでも変わらずあそこにいて、変わらず中国料理についてのウンチクを話したりなんだりしてるんじゃないか、という気がしていたのだ。


最初にアメリカに渡ってから、もう丸々9年が過ぎてしまった。時間の経つのがなんと早いことか、と最近しみじみ思う。当時一緒に働いていたチームの人は、2〜3人を除いてほとんど辞めたり転職したりして、バラバラになってしまった。


しかしネットの発達によるメリットもある。最近当時のメンバーがみな Facebook をやるようになったので、近況報告したり写真をアップしたり、それにコメントしたりして、懐かしい顔ぶれとまた繋がることができた。地球の裏側にいて、9年前の友人の近況に触れて、なんとなく繋がってる感を維持できるのってすごいと思う。直接メールをやりとりしたりするのは結構大変で疎遠になりがちだが、なにげない日常の一端をシェアできることの効果って、すごいと思う。


さっそく台湾人元上司も Facebook に招待した。
辞めた今はのんびりして心穏やかに過ごしているそうだ。食べ物の魅力にあらがいがたいため、台湾に戻ることも検討しているそうだ。そんなところは相変わらずで、ちょっとホッとした。