アショカ@銀座 (インド料理)

外国の人に、その出身国の料理店に連れて行ってもらう、っていうのは私にとってすごくうらやましいシチュエーションである。もちろん、それなりに食い意地の張った人で、お勧めのお国の料理をいろいろと紹介してくれて、美味しいところを見繕って注文してくれる、という前提でだが。ところが、わが同居人はどうもそういう羨ましい目にあったらしい。しかも相手はインド人だ。インド人にインド料理屋に連れて行ってもらって、いろいろご馳走されたというのだ。これは相当羨ましい。

悔しいので、銀座にあるというそのお店に、記憶を頼りに連れて行ってもらった。よく分からないけど老舗らしい。

まずは定番のパパド。豆で作ったパリパリしたおせんべいみたいなやつで、私はこれに目がない。(家にもチンすれば食べられるストックがあるのに...)

前菜にベジタブルパコラ。イモなどの野菜に衣をつけてあげた、インドの野菜天ぷらといったところ。地味ながら美味しい。


メインにはアラカルトのメニューとか、手ごろなランチセットとか色々選択肢があったのだが、見たことのない巨大な物体に目を奪われて、「マサラ・ドーサ・セット」を注文。

くるりと巻かれている巨大なクレープ状の物体が「ドーサ」で、米と豆の粉を発酵させて作る、南インドの代表的な料理らしい。同じお皿に盛られているドーナツ状の物体は「ワダ」。やはり豆の粉を揚げて作っているそうで、味は塩味でスパイスの効いたドーナツといったところ。あとカレーっぽい汁と、さわやかな甘みのココナツチャツネ(白い物体)が付く。ココナツ味がいかにも南インドっぽい。あとで調べたら、ドーサとワダとココナツチャツネは、ほとんど常にセットになって出てくるもののようだ。よくわからないけれど。

くるりと巻いたドーサの中には、イモや野菜をマスタードシードと共に炒めたものが入っている。ドーサの生地は端の方ではパリパリとして小麦粉煎餅のように軽く、水分の多い中央部分はもっちりとしていて、どちらも美味しい。中に入っている具の部分をくるんで食べたり、ココナツチャツネをつけてみたり、シンプルながら味わい深い食事だった。