のり弁

花粉症と戦うべく(という実験の被験者となるべく)弁当を持参することにした同居人であったが、玄米への適応は当初の懸案事項であった。玄米には少々独特のクセがあるので、慣れれば美味と思うのだが、なれない場合には拒否反応を示す場合も多いのだ。

そんな心配をよそに、実験2日目にして、同居人に「のり弁ブーム」が到来し、問題は解決した。
「のり弁ブーム」とはすなわち、ご飯に海苔を載せた「のり弁」のブームである(そのまんまや)。弁当作成時にあの手この手でのり弁をアピール、デフォルトでのり弁要求、のり弁以外の形態の米飯拒否、などがその主な症状である。もともと本人の持っている嗜好と、「のり弁にすると玄米のクセが気にならない」という実質的な理由が一致したものと思われる。

そんなわけで我が家には、のり弁旋風が吹き荒れているのだ。黒米と小豆を入れて赤飯風に炊いた玄米は胡麻塩で食べるのがそれっぽい感じがするのだが、この場合でも容赦なくのり弁形態での提供が要求された(写真)。この際だからどこまで妙なのり弁ができるのか、試したくなってきた。(注:赤飯風玄米ののり弁も、味はまあ普通でした)

しかもよく考えると、鰹節を使った正統派のり弁は、厳密には玄米菜食ではないのだった。今のところ実験結果には影響してないようであるが、この事実をクランケにどう伝えるべきか...


(ある日の弁当:小豆と黒豆入り赤飯風玄米による、鰹節がはみ出したやる気のないのり弁、塩昆布と胡麻、梅干。きんぴらゴボウ、大根と油揚げの生姜焼き、セルベスの煮っころがし、菜の花芥子和え、虎豆の煮豆。こう書くとあたかもちゃんと料理しているみたいだが、85%は残り物か常備菜だ)