紀乃川@本部

なにしろ田舎であるからお店の選択肢も少ないのだが、インターネットのおかげでこんな場所でもお店の情報というのが入手できるのである。ネットの情報を信じて、昼食は家庭料理が美味しいという噂のお店へ。

とりあえずカーナビに住所を入力してみると、「その番地は存在しません」という不穏なメッセージ。いきなり不安になる。よくみると、1番地違いの場所は登録されていたので、そこを目的地に設定。
瀬底島へ繋がる瀬底大橋を通り過ぎて、すぐの門を左折。店名を書いた、ごく小さな看板が曲がり角に立っていた。が、そのあとは田畑とも集落ともつかない静かな場所を丘に向かって上って行く、クネクネとまがる細い道。本当にこんなところに店があるの〜〜? と、不安になる。しばらく走ってそろそろ本気で不安になったところで、また矢印付の看板があり、そこを右折。完全な住宅地の中をしばらく走ったら...

見落としそうなところに、また看板があった!(写真左上)

見上げると、結構分かりやすく壁に店名が書かれている。しかし、道路の方が低い関係もあり、走ってる途中にはぜったい見えない(笑)。

入店し、まずは名物だという自家製のジーマミー豆腐。うまい! 那覇のふくろう亭で食べたやつも美味しかったけど、ここのは更に、ねっとり度が高い。ふくろう亭のジーマミー豆腐が「青スライム」なら、こちらは「はぐれスライム」か、という感じ。ねっとりプルプルして、舌に吸い付く感じをしばし楽しむ。ジーマミー豆腐って口中快感系食物だったのね。

お昼の定食は、定番系もいろいろある。私は黒板に書かれているその日のお勧めから、赤仁(あかじん)ミーバイのマース煮。マースとは琉球の言葉で塩という意味で、その名のとおりミーバイ(ハタ科の魚)を塩味だけで煮たというシンプルな料理。巨大な魚の切り身で、脂も乗ってて美味しい。
つれはニンニク葉と豆腐のチャンプルー。ニンニクの香りが効いていて、沖縄には珍しい(?)ガッツリ系の味だった。

料理ももちろん美味しかったが、店が存在するのかどうか不安になる状況の中で探し当てる、というのが結構面白くて楽しめた。ちょっと、讃岐のうどん屋めぐりに似た感覚ともいえる。