Neptune Oyster @ Boston

お仕事で久々にUSA出張中。今年に入って初めての海外出張だ。
なんだかバタバタと忙しくてあまり遊ぶ暇もないのだが (仕事だから当たり前だ)、移動の途中でボストンに一泊することになった。せっかくなので、エイヤと気合を入れて、おいしそうな店に行ってみた。

ボストンのダウンタウン北東の突端は North End と呼ばれるイタリア人街なのだが、そのはずれにある Neptune Oyster という小さな店。2005年にできたばかりだという。日記を調べたら前回ボストンに来たのが2005年の9月だが、そのときには存在に気がつかなかった。

カウンターと、その背後にテーブルが一列に並ぶだけの細長い店で気軽な雰囲気だが、インテリアも小奇麗だし、店前面に面したウィンドウの内側では大量の牡蠣を剥いていて、なんとなく期待させてくれる感じ。

「Oysters?」
と聞かれたのでコクコクとうなずくと、紙に書いた牡蠣のリストをくれた。これが本日の牡蠣ということで、仕入れ状況に応じて変わるらしい。空欄に数を書き込んでオーダーするのだが、牡蠣の味の特質などが細かく書いてあるので、よくわからないながらも色々悩めて楽しい。

悩んだ末、頼んだのは地元産を中心に次の8種類。

  • Wellfleet (マサチューセッツ)大きさ中-大、塩分非常に高い、sweet butter finish (甘いバターのフィニッシュ)
  • Island Creek (マサチューセッツ)大きさ中-大、中くらいの塩分、juicy, fruity finish (ジューシーでフルーティ)
  • Nauset (マサチューセッツ)大きさ中、塩分高い、briny (海水っぽい?)、butter finish (バターのフィニッシュ)
  • Ninigret (ロードアイランド) 大きさ中、塩分高い、ふっくらした (plump) 、金属臭のようなフィニッシュ (flinty -- ワイン用語らしい)
  • Flying Point (ME -- どこ?)大きさ中-大、塩分高い、ふっくらした (plump) 、マッシュルームの香り
  • Cape Breton (ノバスコシア)大きさ中、塩分高い、briny (海水っぽい?)、ナッツのフィニッシュ
  • Summerside (プリンスエドワード島)大きさ中、中くらいの塩分、ジューシー、日本酒 (sake) のフィニッシュ
  • Kumamoto (ワシントン)大きさ小、甘い、ふっくらした (plump) 、クリーミー、ハニーデューメロンのほのかな香り
  • それと、ビールで蒸し煮にしたというエビのカクテル。

香りの表現の部分は、まるでワインの評価のようで、briny とか flinty とかはじめて聞く単語ばかり。よく分からないで適当に訳しているので、間違いがあっても容赦願いたい。

出てきた牡蠣がこちら。注文用紙の順番に並べてくれるので、説明書きを読みつつ確認しながら味わうことができた。(一番上から時計回りに並んでいる)


Graciaの白のグラスワインを舐めつつ、食べたときの味だけでなく、鼻に抜ける香りまで一つ一つ大切にじっくり味わってみた。Sake のフィニッシュとかマッシュルームの香りとかいう表現はよく分からなかったけど、確かに一つ一つ個性が違うのは分かって楽しい。
どれもおいしかったのだが、特に最後に食べた Kumamoto という品種は、確か日本では幻の品種とか呼ばれているやつで、500円玉大の小さな牡蠣なのだが、個性的な香りがあって存在感が大きい。とても美味しかった。

メインの方は、やっぱりボストンに来たらロブスターでしょ、と思い、この際だからニューイングランド名物のクラムベイクを食べてみようかとも思ったのだが、ちょっとひねって日替わりのメニューになってる Lobster Spaghettini ($36) にしてみた。写真では迫力が伝わらないかもしれないが、大皿にこんもりと盛られたパスタに、結構たっぷりしたロブスターの切り身がごろんごろん入っていてすごいボリューム。アメリカでは珍しく、パスタのゆで加減も絶妙で、非常に美味しい。でもとにかく盛りが良い。日本で言うところの大盛りか、下手したら二人前くらいあったのではないだろうか。アメリカのパスタの標準的な一人前って何グラムなのだろう...。
目を白黒させて食べていたのだが、ふと見ると横で同じものを注文して食べていた金髪の可愛らしい女性がペロリと平らげたのを見て、負けじと頑張ってきれいに平らげた。ウェイターさんに「グッジョブ!」、隣に座っていたおじさんに「おどろいたよ」と言われて、なにげに得意満面。しかし腹が苦しかった。
ちなみに隣のおじさんはこれまた名物らしいロブスターロールを食べていて、これもロブスター満載でなかなか美味しそうだった。

翌日の10時の飛行機で移動してしまうので、わずかな間のボストン滞在だったけど、出張の疲れがふっとぶような美味しい食事だった。来て良かった。