京都花見旅行

以前から、桜の季節の京都を見てみたいものだと思っていたのだが、このたび念願かなって行くことができた。しかも、数ヶ月前から日程を決めて予約していたのに、ちょうどその日が桜の満開と重なり、天気も良いという幸運。

桜の季節の京都は混むよ〜、と周囲の友人に脅されていたのだが、そのとおり、すごい人ごみだった。特に清水寺円山公園などの人気スポットは、それこそ満員電車か朝の新宿駅かという混みよう。高台寺では日没後に桜をライトアップするのが綺麗だということで、わざわざ日没を待って行列する人の群れを見た。そこまでして見たいのか、ライトアップ...。

人ごみはからきしダメなので辟易したのだが、人気のないスポットにも桜や旧所名跡が沢山あるのが京都の良いところ。新撰組の屯所だった八木邸・前川や、隣接する壬生寺のあたりは静かで、咲き乱れる桜も綺麗で、ほっこり。(しかし新撰組関係なので、芹沢鴨暗殺時の鴨居の刀傷だの、山南さんの自害した床の間跡だの、ここで誰を拷問しただの、場所にまつわるストーリーは暗鬱なものが多いのだが...)
壬生寺にはあさぎ色の羽織を着て大小二本差しの市中見回り中の方々が居た。趣味のコスプレか観光客向けサービスかはわからないが、なんとなく後ろめたい気がして目を合わせないようにした。

翌日行った嵯峨野は市内に比べるとわりとよかった。メインストリートと渡月橋は絶望的なまでに混んでいたが、一本裏通りに入って奥嵯峨の方にいけば、わりと人も少ない。静かな京都の山寺の雰囲気を堪能することができた。こうでなくちゃ。

三日目は市内の桜の名所「平野神社」へ。境内がほとんど桜で埋め尽くされている。綺麗だが、酒を売る出店が乱立していて、山寺の美しさはない。それでも、清水寺円山公園の混雑よりはましなのだそうで、初日は一番ひどいところに行ってしまったのだなあ。

その後、三十三間堂に行った。千手観音が1001体、広いお堂の中に静かに並んで佇んでいる荘厳なお寺である。1001体の中には、会いたいと思っている人に似た観音様がいるのだそうだ。千手観音は沢山の手を持ち(実際は42本)、一人で千人を救えるということなのだが、そのありがたい観音様が1001人もいて、誰かを救おうと沢山の手を差し伸べている。日ごろ信仰心とは無縁なのだが、思わず厳粛な気持ちになって手を合わせた。

嵯峨野の枝垂桜。京都は枝垂桜が多い。遠方に比叡山が見える。

天龍寺の裏山から寺と嵯峨野の景色を見渡す。

亀山公園の展望台から桂川を望む。山桜が綺麗。右手にトロッコ電車の線路が見える。

清楚な竹林の道。化野念仏寺にて。