La casa del Abuelo @ Madrid

前回の日記で予告した通り、先週「トマトのアレ」に参加するためにスペインに行ってきた。書きたいことは山のようにあるが、トマトのあれのほうはまだ写真の準備ができてないので、とりあえずエビの話から始めたいと思う。

私はもともとエビ好きだったはずだが、最近日本で食べるエビはあんまり魅力を感じなくなっていた。スーパーで売ってる冷凍のエビなんかを食べてるせいかもしれないが、なんだかぼそぼそして味がなく、臭みを感じる。東南アジアで大量に養殖するようになったころからかもしれない。

ところが、今回行ったスペインのエビはうまかった。エビは小さいのから中くらいの、大きい手長エビまで色々食べてみたが、どれもほっくりして、甘い。エビミソもうまい。ゆでたり焼いたりしただけでも旨い。子供の頃に好きだったエビを思い出す味なのだ。

マドリッドに、 La casa del Abuelo というエビのみを売りにしているバルがある。メニューは、小エビのガーリックオイル煮 (Gambas al Ajillo) と、エビの鉄板焼 (Gambas a la plancha) のみという潔い店だ(エビの大きさで何種類かあるらしい)。エビしかないし、エビ料理は小さな一皿で6〜7ユーロくらいしたので結構良い値段だが、話の種にも一度行ってみる価値はあると思う。

お店の外観。立ち飲みだけの潔い店だ。

入り口を入ってすぐ横で、エビを調理している。左は、殻つきのエビを鉄板で焼いた Gambas a la plancha、右は小さな土鍋(というか皿)でGambas al Ajilloを作ってるところ。

Gambas a la plancha。殻ごと食べられ、味噌が甘い。残った頭や尻尾は、みんなカウンターの下にそのまま落として捨てていた。床にゴミがたくさん散らかっているのが、旨いバルの証らしい。

Gambas al ajillo。土鍋にオリーブオイルをがんがんに熱したところに、殻を向いた小エビをどっさり入れて、ニンニクやパセリのみじん切りなんかをどっさり入れて煮て、まだグツグツと煮えたぎっているやつを持ってきてくれる。ガツンと塩が効いている。エビ自体は小エビなのでそんなに味もないのだが、煮えたぎるオリーブオイルと塩とガーリックのバランスが絶妙で、印象的。
残ったオイルをパンにつけて食べるととても美味しい。「これ、オイルだよね」「カロリーが」「もうどうなってもいい...」などとつぶやきつつ、かなり食べてしまった。

この Gambas al ajillo、前から美味しいという噂は聞いていて何度かチャレンジしたことがあったのだが、美味しいのに出会うことができなくてずっと悔しい思いをしていた。今回のお店で、やっと会心の一撃に出会えた、という感じ。なお上に値段が高いと書いたが、今までの経験では Gambas al ajillo はどの店で食べても小さな一皿が10ユーロくらいはするので、この店のは大変安くて美味しいということができる。

日本に帰ってきてから小エビが安かったのでGambas al ajilloを再現しようとしてみたが、そんなに大量のオリーブオイルを入れる勇気が湧かず、単なるエビのガーリック炒めになってしまった。スペイン料理には度胸が必要だ。

行ったお店

  • La casa del Abuelo, C/ Victoria, 12, 28012 Madrid. 地下鉄 Sol 駅の近く。(店名は、おじいさんの家、というような意味)