池袋ディープゾーン 知音食堂

最近、中国料理好きの間では池袋がちょっとした話題である。池袋北口に小規模なチャイナタウンが出現し、ディープな本格的料理が食べられるというのだ。

というわけで、行ってきました池袋。どの店に行くかは悩ましいところだけれど、とりあえず外せないらしい30年前からの老舗だという四川料理の「知音食堂」へ。

路地にある入り口から地下にある店への階段はなんとなく怪しげだが、店内は思ったより小奇麗な中国風インテリアで統一されている。壁に大画面の薄型液晶テレビが何台もかかっていて、中国語の放送を流している。ただし、店内は店員、客ともにほぼ中国人ばかり。中国人っぽい顔をしているらしい私も当然のごとく中国語で案内された。やっぱりこういうときは、中国語が話せるといいなあと思う。

まず、豚の腎臓を四川風の辛い味で傷めた「火爆腰花」。かなり辛いが美味しい。四川料理では定番の「水煮牛肉」は名前とは裏腹に大量の唐辛子が乗った赤い油まみれの激辛料理。この店でもどんぶりいっぱいの赤い液体に大量の豆もやしとともに供されて、見た目はおそろしいが、食べてみるとそれほど辛くなくてむしろマイルドといっても差し支えないくらい。野菜料理はこれまた定番の「干扁四季豆」。インゲン豆をひき肉や干し蝦と炒めた料理だが、この店のはザーサイのような漬物の味が利いてて、なかなか美味しい。

ここまで食べて、ビールも飲んで、白いご飯ももらったりしたのだが(辛い料理にむちゃくちゃ合うのだ)、ちょっと物足りなくてもう一品。「{虫馬}蟻上樹」は挽肉と春雨を煮込んだ料理。適度に辛く、そしてかなり酸味が利いている。この酸味が旨い。酸味が利くことで、ちょうどトムヤムクン的な、辛くて酸っぱい感が出ている。今度自分で作るときでもやってみようと思った。

全体的にあまり辛くなく、食べやすい味だった。激辛を期待しているとちょっと肩透かしをくらうけど、このくらいが平和に味わうにはいいかも、という感じ。そしてなにより、安い! 2人で4品食べてビールとご飯ももらって、5千円ちょっと。幾つかの例外を除いて一品が千円前後におさまっており、ボリュームもたっぷりなのだ。今度はもう少し人数をそろえて来てみたい、と思ったりして。

食事の後はぶらぶらと散歩し、すぐ隣にある店で、腐乳とラー油と10年ものの紹興酒を購入。「香辣脆油辣椒」と書かれたラー油は普通のラー油ではなく、200mlくらいの大きなビンに、大量の固形の香辛料と赤い油がまざっているのであった。食べてみると辛いことは辛いが、それ以上に香辛料の香りが効いてて超旨い。味はちょっと石垣島ラー油に似ていて、あれをもっとワイルドにした感じがある。セールだったので1本170円...安すぎ。

火爆腰花

水煮牛肉

干扁四季豆

香辣脆油辣椒