誕生日ディナー:Soizic (Oakland, CA)

いまさらめでたくもないが、誕生日である。今年は誕生日と出張が重なってしまい、アメリカに入国したのがちょうど前日だった。
そしたら、入国管理のおじさんがやたらと愛想良くて、
「誕生日なのに出張なの? かわいそーに。一人で美味しいものでも食べにいきなね!」
と同情されてしまった。
そう言われたからには、美味しいものを食べに行かないわけにはいくまい。入国管理官に逆らって将来に禍根を残すわけにはいかない。

万全を期すべく、急遽 Zagat.com のアカウントを取り直して、周辺のレストランを調査したところ、歩いていける距離に一軒良さそうなのがあったので、行ってみた。

行って見ると、店の入り口は非常にそっけなくて、知らなかったら絶対に入れない雰囲気。でもドアを開けてみるとなごやかで、結構雰囲気の良さそうなレストランだった。

リオハのワインをグラス貰った。アペタイザは「エンダイブのサラダ、洋梨ゴルゴンゾーラチーズにスパイスの効いた胡桃添え」。大量のエンダイブが出てきてびっくり。エンダイブは苦味があるが、洋梨とチーズと一緒に口に入れると良いコンビネーションで美味しい。
メインは、「子羊のフィレミニョン・マディラソース、ポテトグラタンとグリルしたシイタケマッシュルームにクレソン添え」。ラムは骨の付いてるやつはまれに食べるけど、フィレミニョンというのは初めて。どんなんよ、と思ったら、鶏のささみのようなサイズの可愛いのが3本出てきた。臭みも脂もまったくなく、とても優しい味。子羊さんごめんね、と心の中であやまりつつ美味しく頂いた。ミディアムに焼いてもらったが中は綺麗なロゼで、マディラソースもとても美味しかった。そして、なんといっても付け合せのポテトグラタンが秀逸! クリーミーなソースで和えた茹でジャガイモにチーズを振って焼いたというようなものなのだが、ポテト部分とクリーム部分の境界線があいまいになるほどなじんでて、かといってポテトはポテトの、クリームはクリームの矜持を保っている、という絶妙な味だった。

お店のサービスも、押し付けがましくないが待たされることもなくて、気持ちよい。最初、もらったグラスワインが酸っぱかったので「これ、酸っぱくなってると思うんですが...」と抗議すると、後ろでテイスティングしますね、と持ってった。変なもの入れられたらどうしよう、とちょっと心配になったが杞憂だったようで、横目でみてたらちゃんと新しいボトルを開けて、入れなおしてもってきてくれた。良いお店。


今日行ったお店