ホテル・ルワンダ

アフリカの小国ルワンダでは、植民地時代に支配階級だった少数派のツチ族と、被支配階級だった多数派のフツ族が対立していた。この関係が逆転してフツ族が権力を握ったときに、積年の恨みを晴らすべくツチ族を根絶やしにするための大虐殺を行い、全土で約100万人の死者を出した1994年のルワンダの大虐殺。その中で、欧米資本の4つ星ホテルの支配人だったフツ族の男が、1200人ものツチ族をかくまってその命を救った、という実話に基づく映画。一言で言ってしまうと「アフリカ版シンドラーのリスト」というところ。
日本に住む私にとってアフリカは遠く、足を踏み入れたこともないためもあって、何がおきているのか、どんな人が住んでどんな生活をしているのか最もイメージしづらいところである。ルワンダの大虐殺も事件としては聞いたことがあるけれどこれまで具体性をもってイメージするということができなかった。当事者の視点で描かれたこの映画を見て、やっとその恐ろしさの一端を感じることができた。そして、欧米のメディアや、その視聴者である私たちの、無関心の罪の大きさも。
私のように、ルワンダがアフリカのどこにあるのかもよく知らない人にはとにかくお勧めの映画です。