広島焼き

お仕事で広島に来た。
昼過ぎに新幹線で到着し、早速広島焼きの洗礼を受けるべく、駅ビル「アッセ」の2Fにある食堂街へ。普通に色々な種類の食事があるのかな、と思いきや、店舗の半数くらいはお好み焼き屋だった。さすが広島。残りの店も、「あなご丼」とか「つけ麺」(広島はつけ麺も有名らしい)など、広島色を押し出したラインナップだ。
なんとなく客が多くて活気の良い「麗ちゃん」なるお店へ。
Lの字にカウンターが配置された小さいお店で、中で6〜7人ものおばちゃんが手際よく広島焼きを焼いている。メニューは広島焼きのみ。そばかうどんの麺入りのものと、麺の入っていないものがあって、それぞれトッピングの種類で値段がアップしていく仕組みだ。最もシンプルなのは、豚と卵のみ。いさぎよい。
メニューに牡蠣があると頼んでしまう悲しい体質のため、最も高価な牡蠣入りそば入り\1,200をオーダーした。広島焼きは東京でも食べたことがあるけれど、思ったよりもっと生地が薄い。生地を薄〜く、ほとんどクレープくらいの薄さに伸ばしたところに、鰹節の粉ととろろ昆布を散らし、キャベツやモヤシをどんっと載せる。その上に、駄菓子のイカフライを砕いたみたいなものをぱらぱらと散らして、薄切りの豚バラをペロリと2枚乗せる。その上に申し訳ばかりに生地をたらっとかけてひっくり返し、別に軽く炒めて円形にまとめた麺の上にひょいっと乗せる。鉄板に卵を割り落とし、へらの先でちょいちょいっと突付いて黄身を崩したら、その上に麺ごとお好み焼きをひょいっと乗せていっちょあがり。見事な手つきは見ていて飽きない。
味はやっぱりお好み焼きだった。生地が薄いのとキャベツが大量なので思ったよりヘルシーだが、ソースがたっぷり効いているのとボリュームがあるので、すごいパンチである。牡蠣入りも不味くはないが、あえて頼むほどのことはない。豚と卵だけのシンプルなやつが、一番美味しいような気がする。
カウンターに「ガーリックパウダー」と書かれた缶があったので少しかけてみた。ちょっとチープなガーリックの味が懐かしい。なんだろうなとしばらく考えて思い出した。昔、駄菓子屋で売っていた「ハートチップス」の味がするのだ。これはまあ、好きずきでしょう。
考えてみたら小麦粉の生地の上に小麦粉の麺を乗せているわけで、おそるべき粉食地帯的食物なのであった。これに対抗できるのは、焼きそばパンくらいではないだろうか。