ほるもん道場

友人達の草野球のあと、どうしてもあの店に行きたい!と言い張った人がいて、ほるもん焼を食べに行くことになった。といっても好きだから万々歳なのだが。
ほるもん焼きというと、4人がけくらいのテーブルにガスか炭のコンロが置いてあって自分で焼きながら食べるというイメージがあったのだが、この店では客は巨大な鉄板を内蔵した巨大なテーブルを囲んで座り、お店のおにーさんが焼いて適当に分配してくれる肉を食べる、というシステムである。鉄板は本当に巨大で、人間一人、いや牛の半身くらいなら余裕で焼けるくらいのサイズがある。ちょうど広島風お好み焼きのカウンターの鉄板が分裂して各テーブルに出張しているくらいのものをイメージすればよい。

メニューには店名を冠した「道場破りスペシャル」とか「ほるもんスペシャル」とかいう盛り合わせがあって、名前も分からない肉の部位をいろいろ盛り合わせたものを豪快に焼いてくれる。単品メニューを見ると牛の第1〜4胃袋のすべてが個別に味わえたりして、なかなかの品揃えである。「シビレ」というのが珍しくて美味しかった。シビレというのは子牛の胸腺、いわゆるフランス料理でいうところの「リードヴォー」なんだそうである。反射的にハンニバル・レクター博士を思い出してしまったが、鉄板で焼いたシビレは脂身の歯ごたえをとても繊細にした感じで、脂も上品にとても甘くて、(ちょーっと私には脂っこさがこたえたのだが、それでも)とても美味しかった。

あとは、ごま油+塩と、にんにく醤油の二種類のタレと共に供されるレバ刺し。臭みもほとんどなく、甘くてとても美味しい。あ、そうそう。ノーマルと黒と2種類そろったホッピーも美味しかった。生ホッピーなのだそうである...といっても生じゃないホッピーを飲んだ回数が限られているので、あんまり比較できないが。

炭水化物系メニューには冷麺だの、鉄板焼ビビンパだの羨望を集めるものがたくさんあったのだが、残念ながら時間切れにて今回はあきらめた。次の機会にはぜひ食べてみたいものである。