難しい決断

春である。新入社員なシーズンである。ということはもう早速、次の新入社員をもとめての活動が始まる。
多忙な上司が出張中のためなのか、今年はなぜか私ごときにも一次面接の面接官なる大役がまわってきて大変だ。やること自体は難しくない。一時間ばかり学生さんの話を聞いて、おきまりの質問をするだけ。でもその結果として、二次面接へ進めるかどうかという決断を下さねばならず、それがつらい。
非常に合理的な上司のお達しとして○×判定基準というものを頂いており、それに当てはめるとわりと用意に○か×かという結論は出そうに思われる。しかし、就職なんて、仕事なんて、しょせん人と人との出会いだと思っている私。学生時代に何を成し遂げたかということより、これから何をやってくれそうか、一緒に仕事したら面白そうかどうか、そんな観点でついつい見てしまい、バイナリに簡潔に結論を出すのはどうにも難しい。
一次面接は最終結論ではないから、ここで○を出したら次の面接で落とされる可能性はある。しかし一次面接とはフィルタリングのプロセスでもあるので、ここで×を出したらもう一生お会いすることはないかもしれない。その決断を、自分でしなければならないというのはとても苦しい。
自分の手を汚さず二次面接官に結論を出してもらうことにして○ばっかりつけてたら人事の方にダメ出しされた。仕方なく、できるだけ客観評価でシビアに評価していくことにする。
そもそも私に他人を裁く権利があるであろうか?(権利はないが義務はあるらしい)
そもそも自分はこの基準を満たしているだろうか?(怖くて聞けない)
などなどと悩むけど、しかたないので自分のことは置いておいて、できるだけ真剣に、誠意を込めてやるしかない。普通の仕事より疲れるのだ。