古巣に帰って

この街に住んでいたのが約2年間で、日本に帰ってもう2年近く経つので古巣といってよいかはよくわからないが、ともかく人生で最もエキサイティングな2年間を過ごした場所ということで、いつ帰ってきてもすごく懐かしく感じる。
特に前回訪れてから半年くらいしか経っていないためか、街も人々も何もかも変わらない。久しぶりに古い同僚たちと同じテーブルで食事をして、2年前と同じ調子でP氏が現政権関係の危ないギャグを飛ばすのを聞いて、2年前にここを離れた時のまま、時間が経ってないような気がした。
夜はお土産に持っていった Sushi Disk(寿司型USBメモリキー)のお礼というかなんというかで、台湾系元上司に夕飯をおごってもらう。こってりと濃いニューイングランドクラムチャウダーに、フライドオイスターを前菜に。メインは久々のロブスターをシンプルに蒸して。身がぎっしり詰まって、ミソも美味しくて幸せ。アメリカ人はミソは食べないのかと思っていたら、ロブスターの産地で有名なメーン州の人が書いている「ロブスターの食べ方ガイド」に、「ミソまで綺麗に食べましょう、周りのことを気にせずミソも殻の中も細い足の中までも全部綺麗に食べつくしましょう」というようなことが書いてあるらしい。素敵だ、メーン州の人。
相変わらず食べ物関係のくだらない話ばっかりしていたのだが、ぽちぽちとシビアな話も出て身につまされた。実力と実績が最重要視される世界だから、これらの伴わない人は容赦ない批判の嵐に晒される。私はどうだろうか。あまりに無知だった自分に気がついて、変わろうと思って2年と少し。ちょっとでも進歩しただろか。彼らと対等に闘えるようになっただろうか?