兵器庫で夕食を

今日で仕事は全部終わり。というか、強引に終わらせた。むちゃくちゃ喉が痛いが、それ以上具合が悪くならずに出張を終えることができてラッキー。天気のほうは少し好転しつつあり、時折青空も見えるようになったのだが、晴れた時のほうが寒さが厳しくなるのだそうで、今日は最高気温−5度、最低気温−10度。外に立っていると芯まで冷え込む。

夕方、親切なスイス在留の同僚が申し出てくれて、一緒にご飯を食べに行く。Zurichのダウンタウンにある Zeughauskeller (http://www.zeughauskeller.ch/) という店はスイス風というよりは、にぎやかなドイツのビヤホールのような雰囲気。いろいろな種類のソーセージや、豚のスネ肉のローストといったいかにもなドイツ料理が有名みたい。この店にもドイツ語圏スイス料理の4種の神器である子牛料理はあった。つまりクリーム煮 (Geschnetzeltes)、ウィンナーシュニッツエル(薄いカツ)、レバーの料理、間にチーズとハムを挟んで焼いたコルドンブルー、で、ここまで観察した結果この4つはどのスイス料理店にもほとんど必ず置いてあるようだ。

スネ肉のローストを注文しようとしたが時間がかかるといわれたのでソーセージの盛り合わせにした。いろいろなフレーバのソーセージが串に刺さって焼いてある。白いやつはミュンヘンあたりで有名な白ソーセージに良く似ていて、ふわふわとしたハンペンのような食感だ。付け合せに、店の名物だというポテトサラダが文字通り山のようについてくる。マヨネーズではなくてなにかのビネガーとオイルで和えてあり、酸味が利いていて美味しいのだがとにかく量が多い。
ビールは Wadenswiler Hanf (www.waedi-bier.ch) という麻を使ったものを注文。甘くて独特の酸味があり、普通のビールと全然違う味。同僚の解説によるとビールは、中世に肉食を禁じられた僧侶が欲求不満を満たすために作られたそうで、味やアルコールだけでなく、肉を食べられない分のカロリーを補充するという重要な目的があった。つまりビールを沢山飲むと太るというのは非常に理にかなった現象であったのだ。

この店で特徴的なのは実は料理ではなくて、この建物が元は1487年に建てられた兵器庫だったということ。今も壁には剣や槍、弓、それに大きな大砲などの各種の兵器が飾られている。外壁もおどろくほど厚く、まるで要塞のようだ。もう一つの店の名物料理は、剣に牛肉を巻きつけて焼いたステーキだ。