MAIMON オイスター・バー

金一封は、実は母が最近お気に入りのオイスター・バーに行ってみる事、という条件付で頂いたのである。牡蠣には目がない私としては、大人しく従うこととして、川崎のチネチッタの脇にあるその店に行った。スタイリッシュな店内。料理を彩るおしゃれな演出...は、まあ私はどうでもいいんだけど、店員さんの教育が行き届いていて、サービスが実に気持ちよい。
肝心の生牡蠣は、産地と種別により1ピースずつ選べるので、厚岸の「丸牡蠣」と「かきえもん」、釧路の仙鳳趾、宮城県志津川産のもの、それにアメリカ産の「クマモト」をチョイス。フランス産のブロンもぜひ食べたかったのだが、「今年はブロンの状態がよくないので扱っていません」という店員の丁寧な説明。クラッシュアイスの底に青白く光るライトを仕込んだ凝った盛り付けで、4種類のソースと、レモンとライムと共に供される。さすが厳選しているだけあって、身のぷっくりとした太った牡蠣ばかり。でも、残念ながら、ちょっと香りが弱い。あえていうなら、滅菌するために無菌海水の中で長く飼いすぎて、香りが抜けてしまっているような気がする。危険ではあるけど、海の香りをたくさん吸った、滅菌していない牡蠣の磯くささを愛する私には少々物足りない。
オイスター・ロックフェラーは単なるホウレンソウ入りグラタンみたいになってしまっていてちょっと平凡な印象だったが、「牡蠣のにんにくバター 200℃のオーブンで焼いて」は旨みが凝縮していてとても美味しい。そして最後に、なぜか比内地鶏のつくね。1本に1個ずつ比内地鶏の卵の黄身がつくそれは、なかなかおいしゅうございました。
それぞれの料理にこだわりが感じられて、なかなか良いお店だと思うのだけれど、お値段もそれなり。生牡蠣1ピースが最低で530円から、、、というのはちょっとお高く感じる。一ダース食べれば6千円になってしまう。ニューヨークのオイスターバーも良い値段だったけど、ここまでは高くなかったはず。
ニューオリンズあたりに行けば、1ピース分の値段で1ダースの生牡蠣が食べられるわけで、生牡蠣はそういう気楽な食べ物であって欲しい、とちょっと思う私であった。
(でもこんな価格帯でもお店は大繁盛しているようだった。ひょっとして私が激ケチなだけ?)