白酒に目覚める(黒猫夜@赤坂)

紹興酒が好きだ。この中国製品への不信感の募るご時世にあっても、カメごと買ってしまうほど好きだ。

そんな中、中国酒の種類の豊富な店が赤坂にあるというので行ってみた。


紹興酒(黄酒)は5種類。

  • 金石交
  • 東湖
  • 黄中皇
  • 孔巳乙
  • 神気

さらにそれぞれの銘柄で、10年ものとか20年ものとかのグレードを選べる。最低でも10年もの以上のものしか置いていないというところに強いこだわりを感じる。スーパーで売ってるような市販の紹興酒はせいぜい3年ものくらいだ。

千円程度で3種類の利き酒ができるので、まずそれをもらった。出てきたのは、小さなグラスがなぜか4つ。最初の三種類は、こってりとしたコクがあったり、ちょっとキリっとしていたり、いつも同じような味だと感じていた紹興酒にもはっきりとした個性があることが分かる。個人的には、伝統的な製法を取っているという「東湖」が、とても気に入った。

4つ目のグラスにちょっとだけ入っているのは、一般的な市販の紹興酒だという。飲み比べてびっくり。ま、まず〜〜。10年ものの美味しい紹興酒に比べると味が薄っぺらで雑味が強く、とても飲めたものではない。

料理をいろいろと食べてみて、最後に白酒(パイチュウ)をもらった。こちらもこだわりで、沢山種類があるのだ。白酒というのは臭くて頭の痛くなる酒というイメージがあったのだが、これがまったく覆った。私は「寧城老●(ニンチェン、●は穴かんむりに告)」、連れが「景陽春(ジンヤン)」というのをもらったのだが、どちらもとても旨い! すごくフルーティで雑味がまったくなく、ものすごく香りが良い。なんだかこれからハマってしまいそうな予感...。

なお、お料理の方も個性的でとても美味しかった。

突き出しは、ゴーヤーと豚耳の和え物、川エビの揚げたの、乾椎茸、の3品。椎茸がとても変わった味で、一瞬何か分からなかった。

タコのピリ辛に炒めたの。山椒が効いている。

臭豆腐とニラの入った卵焼き。臭豆腐は少ししか入ってないようだったが、く、臭い!旨いけど、臭い!!ニラの香りに全然負けてないのは恐れ入りました。

シャコを揚げて、香辛料たっぷりのパン粉みたいのとからめたの。シャコ自体はあまり食べるところはないけど、このパン粉が意外と旨かった。

豚のカシラ肉、髪菜(ファーツァイ)、青菜の蒸したの。髪菜は「発財」と同音になることから縁起の良い食材として用いられるもの (という雑学を何度も宣伝し続けている私)。とろとろのカシラ肉と髪菜の組み合わせが良くて、とても美味しかった。

黒酢酢豚。いろいろな意味で、酢豚の常識を覆す物体だった。まず肉がでかく、握りこぶしほどもある。外側がかりっと揚がり、中はふんわりと柔らかい肉塊を、黒酢のガツンと効いたタレに絡めてある。構成物はほとんど肉のみ。普段、酢豚はあまり好きでないのだが、後日夢に見て、自分でも作ってしまう(ただし通常サイズ)ほど、ここの酢豚は気に入った。

久々に、大満足の中国料理、だったのでした。