大量の刺身「福ちゃん」(渋谷)

用事があって渋谷へ。海鮮でちょっと有名な居酒屋さんへ行った。
メニューを見ると、プラスティックのケースに手書きで、魚の名前がずらずらと書いてある。表形式になっていて、列ごとに「白身」「脂身」「貝」なんてジャンルが切ってあって、それぞれのジャンルに対応する魚の名前。ちなみに「脂身」は脂の乗った青魚らしい。
価格は書かれていない。「幾らですか?」と聞くと、声の高くて元気なおばちゃんが「切ってみないと分からない」という。なんだかドキドキものである。不慣れな客と判断したおばちゃんは、各ジャンルからバランスよく注文するように、とサジェスチョンしてきた。

とりあえず名物だという「箱うに」。寿司屋の冷蔵ケースにおいてあるような、大きくて本格的な箱に、うにがうず高く盛られたものがやってくる。切った焼き海苔と、スライスしたキュウリを添えて。うにはとっても新鮮で甘く、美味しい。
サラダは山盛りのレタスなどの生野菜の上に半熟ゆで卵やカニを乗せてドレッシングをだばーっとかけた、豪快なもの。
白身の列から石鯛を注文したら、20cm四方くらいの皿にみっちりと、隙間無く盛られているものがきた。こりこりと歯ごたえがあってとても美味しいが、全部で30切れくらいもあっただろうか。5人で食べていたのでこれだけでも相当な量なのだが、次に脂身の列から選んで頼んだシマアジがさらにすごい量だった。大きなシマアジまるまる1匹が刺身になっているのだが、同じく20cm四方の皿をおおいかくさんばかりに山盛りに盛られている。とろりと脂がのって美味だが、一切れが大きい。駅弁に入っている焼き魚の切り身のサイズに近い。
貝類盛り合わせは「いろいろな種類の貝をちょっとずつ盛り合わせている」ということだったのだが、アワビ、サザエ、赤貝、青柳、ミル貝、ホタテ、の6種類が皿からはみ出さんばかりにうず高く積まれていた。1品ずつは、よその店なら十分に1オーダーの刺身として通用する量である。メニューには貝1種類の刺身も記載されていたが、その場合は6倍の量が乗ってくるのであろうか...こ、怖い。

どれも新鮮でとても美味しかったのだが、だんだん口が飽きてきて、刺身は大量に食べられないと思い知ることになった。しまいには「むしろ焼きたい」とか「なんでもいいから火が通ったものを食べたい」とかブツブツ言うことに。過ぎたるは及ばざるがごとし、である。

  • 今日行った店:「福ちゃん」渋谷