NHKアーカイブズ「シルクロード 楼蘭を掘る」

25年前に放送されたNHKスペシャルシルクロード」をディジタル技術で修復し、再放送するシリーズ。第一回は「新シルクロード」の内容に合わせて、砂漠の中の幻の都市「楼蘭」の謎に迫る。ゲストは、旧シリーズでナレーションを担当した石坂浩二。まったりと悠久の時間の流れを感じさせるナレーションが素晴らしい。なんというか、とても詩的だ。

そしてタクラマカン砂漠へと踏み込んでいく調査隊の骨太さに心打たれる。当時、軍事施設のあるこの西域は外国人立ち入り禁止で、中国側との交渉の末に、中国人スタッフだけであれば、ということで撮影を許されたのだそうだ。砂漠の入り口に住む遊牧民から、鶏や卵、「生きた缶詰」である羊を購入する。卵は砂を詰めたバケツに埋めて持ち運ぶのが砂漠流。荒地に動物の姿があれば、銃をもって追いかける。しとめた大きな鹿は、大きな中華包丁で解体されミンチにされて水餃子にされ、その日の夕飯となる。共働き社会の中国では、男も料理をする。砂漠の真ん中でみんなして小麦粉をこねたり水餃子を包んだりしている様子はなんだか微笑ましい。
さまよえる湖「ロプノール」は水源の減少により枯れ上がり、湖畔で栄えた楼蘭も滅びた、とあったが、手元の世界地図で見たらロプノール(羅布泊)、ちゃんと載っていた。その後、また移動しているのが発見されたのであろうか。